遣唐使が持ち帰った「錫器」が正倉院にある

 

 
 

正倉院(奈良)

    遣唐使のイメージ

 

◎正倉院(北倉)には錫製「薬壷(やっこ)」が保存されている

 錫器が日本に伝えられたのは、今から1300年前と言われています。
昭和4年に発行された「
正倉院御物図録」(帝室博物館編)によりますと、
天明皇太后のご在世中に、薬種の容器ー錫薬壷ーとして献納されたとあります。

 今でも「正倉院」の北倉に数点が宝物として保存されています(下の写真)。
当時、中国に渡っていた遣唐使(630年〜839年の間に15回派遣)によって
持ち帰られたものとされています。


正倉院北倉にある「錫薬壷」(正倉院御物図録・帝室博物館編より)
< 高さ6cm余り/直径7cm余り >

 

◎「錫薬壷」には何と轆轤(ろくろ)目が見られる

 上述の図録解説には、
「いずれも鋳錫製で、形は高台のない丸底で、高さ六糎余り、直径七糎余りの終始古體な
ものとあります。また蓋にも身にも至る所に轆轤(ろくろ)目が鮮やかにあらわれている」
とあります。この事は製作方法において、現代の技法に影響を与えて来たことは明らかです。
<上の写真の横縞が轆轤で削った痕(轆轤目)です>

 錫器の「挽きもの」と言われる製法は、
荒鋳込みした粗形を轆轤を廻しながら、鉋(かんな)で挽き(削り)製品に仕上げています

轆轤を廻す方法が人力(”手引き”か”足踏み”)から電動モーターに変わったにせよ、
悠久の昔からしかも中国から日本へ受け継がれていることに感動すら覚えます。

江戸時代
<  縄を掛けて人力で轆轤を廻す>

現代
< 電動モーターで轆轤を廻す >